ダークロードの所にめずらしくバフォメットがやってきて「飲もう」と言ったので、後を息子に任せてプロンテラの酒場に繰り出した。
 そこでダークロードは衝撃の物語を知ることとなる。

 プロンテラの歓楽街。その中でもいかがわしい外灯とほとんど全裸のダンサーが踊る喧騒の中、人に化けたバフォとDLはジョッキをぶつけて中の酒を一気に飲み干してしまう。
「うまいな。やはり酒は人の物に限る」
「それもいいが、あのダンサーの尻もいいな。あのむちむちさはいい酒の肴だ」
「おい、バフォよ。そういうことは奥方を満足させてから言うものだぞ」
 いつものからかい文句を言ったDLは、その後のバフォの想像できぬ回答に思わず口に含んだ酒を吐き出しそうになる。

「ああ、あいつは気持ちよくイって今ごろ寝ているよ」

「ぶっ!げほっ!!げほっ!!!はぁはぁはぁ……」
「汚いな。ダークロードよ。酒が勿体無いだろう」
「ちょっと待て!お前何を言っているのかわっているのか?
 『あの』ママプリを満足させてここに来ただとぉ!?
 冗談はメンテナンス時に言えってんだ!」
 ダークロードが一気に話し終わったそのタイミングを見計らって一枚のSSが出される。
 SSの日付は確かに今日。撮ったのは子バフォだろう。
 プロ北の森の中でバフォの上でイっちゃって全裸で気を失っているママプリ。
 いつもなら激しく腰を振るので外すバフォ帽も頭につけたまま。
 ガーターベルトとタイツは白濁液まみれだが、いつも淫汁に汚されるロザリオとマタの首輪はその光が濁っていない。
 満足した証拠にお腹は妊婦のように膨らみ、まだ繋がったままの肉棒とお○んこからは白濁液が泡を立ててこぼれている。
 よほど会心のセックスだったのだろう。バフォはママプリをお腹の上で気絶させたままピースサインをしていたりする。
「……よくできた合成だな」
「ダークロードよ。言うに事欠いて、それはないだろう」
「というか、誰が信じられる!?
 『あの』ママプリだぞ!
 一度咥えたら最後、出し尽くすまで離さない、『サキュバスと精の取り合いをしてサキュバスが泣いて帰る』とサキュバスから呆れられるあのママプリだぞ!!
 お前、毎夜毎夜絞られて体まで小さくしなきゃならなかっただろうがっ!!!
 どうして、ママプリとやった後こうして酒なんて飲めるんだ!?」
 人間…というかこいつら魔物なのだが、理解しがたい事に直面すると大体怒るか泣くか笑うかのどれかしかできないというが、今のDLはまさに怒っていた。
 DLは一度ママプリに手を出してその後何度かしっかり『搾り取られた』からママプリの淫乱さは骨身にしみている。
(俺ですら搾り取られたのにバフォが無事なのは納得できんっ!!!!)
 これがDLの偽らざる本音だろう。
「まぁ、聞け。ダークロードよ。
 その話をしようと思ってお前を誘ったのだ。
 換わりに、ここの酒はお前持ちだぞ」
「いいだろう。
 だが、俺もお前も人間の金には困らん身分じゃないか。何か意味があるのか?」
「気分の問題よ。
 あ、酒追加。こいつのおごりで」
「俺も酒追加。
 素面じゃ聞いてられん話になりそうだ……」


 すったもんだの果て、バフォの話をまとめるとこうなる。
「ようするに、俺もあいつもやっている時に自分の快楽を追及しすぎていたんだな。
 お互いの事を気持ちよくしようという意識に欠けていたのだ」
「まぁ、わからんではないが
 大体の人間の女は我等の肉棒によがり狂っていったからのぉ」
「そこよ!ダークロードよ!!
 なまじ我等の性行為は肉体に頼りすぎていた!!!」
 我が意を得たりとばかりジョッキを置いてしたり顔で頷くバフォ。
「考えても見よ。
 万に一つ、億に一つ、我等の肉体に適応してしまった人間が居たとしたら?
 その人間が求める性行為というは我等が基準となるのだぞ」
 声を潜めてバフォが呟く声にDLの背中に寒気が走る。なまじ、ママプリという実例があるだけにバフォの考えを否定する気になれない。
「まぁ、それはわかった。
 で、そんな我等の基準になったママプリをどう気持ちよくって……勝手に気持ちよく腰を振っているじゃないか。彼女」
「だから、今回は全部こっちがリードしてやることにした」
「正気か?お主、彼女相手に消耗戦って……まぁ、ここにいるんだから生きて帰ってきたんだよな」
「この間ホワイトデーがあったろ?
 人間の砦で彼女を一週間犯し放題という企画のやつ」
「ああ、参加していたからわかるがあれがどうした?」
「うむ。あそこで一人のローグと知り合ってな。
 女の扱い方について教えてもらったのだ」
「魔王が女に怯えて人間のローグに教えを受けるというのもなんだか情けないものだな」
「背に腹はかえられん。その結果が先の言葉よ」
「女を堕とすローグから教えられた言葉が『お互いの事を気持ちよく』か。
 皮肉というかなんと言うか……」
「まず、優しくキスで相手を労わるだろ。
 ここでその先を考えておくのだ」
「先も何も入れて出すだけだろうが?」
 DLの冷静な指摘にニヒルに人差し指を左右に振るバフォ。経験者の優越感を体全体から出しながら酒を飲んで話を続ける。
「だから、それが間違いなんだダークロードよ。
 入れるだけでは快楽ではなかろう。
 要するに彼女に『気持ちよく』なってもらう事が大事だろうが」
「つまり、キスもその下準備という事か?」
「おうとも。
 たっぷり互いの舌を絡め唾液の交換をしながら相手に己の意識を伝えるのだ。
 そして焦らす。まず息が荒く、そして甘い吐息が漏れ出し彼女から腰を押し付けてくる。
 これがサインだ。そこで一度離して彼女に服を全部脱いでもらう」
「大体いつも破ったりこちらが脱がしてなかったか?」
「プリ服なんて代えがあるからと思っていたからな。
 だが、彼女自身で脱いでもらう事に意味がある。
 これから犯される事を肯定して、そしてその裸身を晒すことによって己の快楽に全てを任せるという意思を引き出させるのが狙いだ」
 感心したようにDLが呟く。
「性行為って奥が深いものだったんだな」
「うむ。千年ほど生きていたがこんなに奥が深いとは思わなんだ。
 で、互いに裸になってまたキスをする」
「まだするのか!?」
「服を着てのキスは彼女に服を脱がせるための下準備よ。
 今度は、彼女に気持ちよくなってもらうためのキスだ。
 舌を絡めながら、豊満な胸を揉み、ぴんと立った乳首をつねり体の性感帯を同時に刺激してやるのだ。
 女性は背中や髪をなでられても気持ちいいらしいからな。そこも忘れずにじっくりと攻める。
 涎が彼女の豊満な胸に垂れ、彼女自身が我を抱きしめお○んこからたれる淫汁が我の肉棒に垂れ出して、『あん、じらさないで、お願い。頂戴……』とおねだりをさせてから入れてやったのだ。
 それだけでイってしまって、我の肉棒を咥えたまま潮を吹いてしまったぞ」
 思い出しただけでもよぼど気分が良かったのだろう。バフォの顔は酒の酔いも混ざって上機嫌だった。
「で、ここでこちらから動かずに彼女の快感の波を一度静めてやるんだ。
 いつもなら、我も腰を振って彼女の牝の本能に火をつけてしまうとこだが、今回は彼女の事を考えて彼女の息が整うまで待ってやるのがみそだ」
「なるほど。入れたら互いに腰を振るのではなくあくまで相手を思いやる気持ちを忘れずか」
 DLは感心するばかり。その顔を見ながらバフォが更にとっておきと言った感じで声を小さくする。
「ちなみに、ここで快感の波を静めるにはもう一つ理由がある。
 彼女の快楽を貪る心と体を離してしまうのが目的よ」
「心と体を離す??」
 怪訝そうなDLに、実はローグの受け売りの言葉を言っているに過ぎないバフォが自慢たっぷりに話を続ける。
「快楽を求める心は一度火がついたらつきっぱなしだが体には限界がある。
 そして、体は一度休ませてしまうと最後までついていけないものだ」
 酒に酔いながら、DLに自慢しつつバフォの脳内で色っぽく乱れるママプリが脳内再生されていた。
「彼女の息が整って自ら腰を振ろうとするのを制して、こちらのリードで腰を振る。
 その時に胸や尻などの性感帯を刺激しつつ言葉で攻めて彼女を自壊に追い込むのがポイントよ」
「自壊?いつも壊れているような気がするのだが??」
「だからそれで我もお主も搾り取られまくっていただろうが。
 要するに、こっちが消耗せずに彼女をどう性的に満足させるかが問題なんだろうが」
「おお。そうだった」
「一度昂ぶらせてから落としているから心は求めても体がついていかない。
 あとは、攻めながら心を壊してやれば」
「なるほど。体が付き合いきれずに失神……か……」
「で、我もイって白濁液を子宮に注ぎ込んでとどめよ。
 精の量では一回で十分の量だったのだから耐え切れず……で、このSSよ」
 己の初勝利を自慢しつつバフォはジョッキに残った酒を一気に飲み干した。
「さてと、そろそろ帰るか。
 約束どおりここの代金はお前持ちな」
「ああ、構わんが帰ってどうするつもりだ?」
 さも当然のようにバフォが言ってのけた。
「もう一回戦するに決まっているだろう。
 酒を飲んでSP回復したし、今夜は寝かさないつもりだ」
 がははと高笑いをしてバフォが出陣してゆくのをDLは見送ることしかできなかった。
「まったく、何がしたかったのやら……」
 そしてDLは気づいた。
 今回の酒宴の本当の酒の肴はDL自身でバフォはただ惚気に来ただけだったと。

 その後帰りが遅いDLをナンパと決め付けて怒りながら迎えに来たイリューが、ちょっと背中に哀愁漂わせて一人寂しく酒を飲むDLを見つけて慰めたのはまた別の話。


あとがきみたいなもの

 18禁小説。
 元々エロ小説スレ125様へのお返し作品。
 絵なり文なりママプリを使っていただく人には文でお返しという己の公約もなんとか達成。
 しかし、バフォとDLの会話って性少年達の煩悩トークとまったくかわらないとは…(苦笑)
 ちなみにいつものとうり、DLとイリューはLiveRO「深遠の騎士子スレ」より。
 イリューたんは貧乳だからママプリとプリ服で並ぶとその胸の差に愕然としたり。
 え?…ママプリ胸って100超えていますよ。
 そして男を食べれば胸が膨れるとだまされてイリューたん淫乱か…ってごめんなさいだからメテオはだめぇぇ…

[壁]チュドォォォォォォンンッ!!!